住宅ローンと健康状態 団体信用保険

住宅ローンが通らない?団体信用保険について

今回は住宅ローンと切っても切れない関係にある団体信用保険についてご説明いたします。

団体信用保険とは?
生命保険の一種で、住宅ローン返済中に債務者が死亡、または高度機能障害になった場合に保険が適用され、ローンが支払われるという仕組みです。フラット35など一部を除き、ほとんどの金融機関の住宅ローンが対象となっています。

団体信用保険の補償
団体信用生命保険の補償内容です。

団体信用生命保険の保障内容には大きく分けて以下があります。

・死亡時・高度障害保障
被保険者が死亡または団体信用生命保険を提供している会社または機構・団体が定める高度障害(ここがポイントです)になり住宅ローンの返済が困難になった場合に、残りの住宅ローンを全額弁済する制度です。
万一の際にご家族や連帯保証人にローンが残ってしまわないため、非常に安心です。

・三大疾病保障
三大疾病保証は上記に加え、 がん・急性心筋梗塞・脳卒中の3大疾病が原因による住宅ローンの返済が困難になった場合に、残りの住宅ローンを全額弁済する制度です。

・七大疾病保障
上記に加えて、補償の対象とされる疾病数をさらに拡大したのが七大疾病保証です。
がん・急性心筋梗塞・脳卒中に糖尿病、高血圧疾患、肝疾患、腎疾患を七大疾病と呼んでいます。
こちらに慢性膵炎を加えた、八大疾病を対象とする保障もあります。

・介護保障付き
公的介護保険制度の要介護3以上に該当していると認定されたときに保障があります。

また、オプションの保険金として、下記の特約保険金の保障を用意している会社もあります。
・リビングニーズ特約保険金
余命6カ月以内と診断されたときに支払われる
・重度がん保険金前払特約
がんと診断確定され、すべての治療を受けたが効果がなかったなどと判断されたときに支払われる
・先進医療給付金
先進医療による療養を受けたときに支払われる
団体信用生命保険の保険料はローンに含まれているケースが大半ですが、必要とあらば、保険料をプラスすることで、より手厚い補償内容の保険を付帯できます。

団体信用保険の仕組
住宅ローンに支払い者が共同で出資しており、保険会社が金融機関と契約している。

団体信用保険加入条件
告知書という金融機関へ提出する書類が金融機関の審査を通過する必要があります。具体的には、具体的には下記申告の必要があります。3か月以内の投薬の有無や身体障碍者手帳の交付有無、医師の治療の有無、既往症などについて回答します。万一既往症がある場合は、治療状況や症状、期間などについても説明しておくのがよいです。ちなみに申告する必要のある疾患は下記の通りです。
狭心症、心筋こうそく、心臓弁膜症、心筋症、不整脈、先天性心臓病
脳卒中(脳出血・脳こうそく・くも膜下出血)、脳動脈硬化症
高血圧症、糖尿病、こうげん病、リウマチ、貧血症、紫斑病
慢性気管支炎、ぜんそく、肺結核、気管支拡張症、肺気腫
胃かいよう、十二指腸かいよう、かいよう性大腸炎、すい臓炎、クローン病
肝炎、肝硬変、肝機能障害
腎炎、ネフローゼ、腎不全
緑内障、網膜の病気、角膜の病気
ガン、肉腫、白血病、腫瘍、ポリープ
精神病、神経症、総合失調症、てんかん、うつ病、自律神経失調症、アルコール依存症、薬物依存症、知的障害、認知症
子宮筋腫、子宮内膜症、乳腺症、卵巣のう腫

住宅ローン契約に影響する可能性がある健康状態
多少の通院や投薬であれば住宅ローン契約に響きにくいのは冒頭で述べて通りですが、下記に該当する場合は影響が出る可能性があります。
・過去3か月以内の通院、治療、投薬
・過去3年以内の手術、2週間以上の投薬や治療

団体信用保険の告知義務
団体信用保険には審査に告知書があることからわかる様に、健康状態に対して告知義務があります。審査に不安があるからといって隠すことや虚偽申告はあってはなりません。

団体信用保険に加入できないとどうなる?
団体信用保険に加入できないと住宅ローンを組むことができません。これは基本的に住宅ローンの契約には団体信用保険への加入が必須となっているため、避けることができません。ただ、一部例外もあり、フラット35を利用する場合は、団体信用保険への加入が任意となっているため、その限りではありません。

団信(団体信用生命保険)に入れないケースとは?
上で解説した、告知書において健康状態に問題があると判断された場合、入れないケースがあります。この場合の対策は後程解説いたします。

団体信用保険の支払い条件
住宅ローンの契約者が死亡または高度障害状態になり、ローンの支払いが難しい状況に陥った際

団体信用保険の高度障害状態基準
一言でいうと、通常生活を送ることが困難な重い障害が「高度障害状態」です。
住宅金融支援機構の団体信用生命保険では、高度障害状態を以下の8つの状態と規定しています。(金融機関が独自に定めたもので、その他労災や障害年金の基準とは異なることに注意)

両眼の視力を全く永久に失ったもの
言語またはそしゃくの機能を全く永久に失ったもの(注1)
中枢神経系または精神に著しい障害を残し、終身常に介護を要するもの(注2)
胸腹部臓器に著しい傷害を残し、終身常に介護を要するもの(注2)
両上肢とも、手関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの
両下肢とも、足関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの
1上肢を手関節以上で失い、かつ、1下肢を足関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの
1上肢の用を全く永久に失い、かつ、1下肢を足関節以上で失ったもの
(注1) 「そしゃくの機能を全く永久に失ったもの」とは、流動食以外のものは摂取できない状態で、その回復の見込みのない場合をいいます。
(注2) 「常に介護を要するもの」とは、食物の摂取、排便・排尿・その後始末、及び衣服着脱・起居・歩行・入浴のいずれもが自分ではできず、常に他人の介護を要する状態をいいます。

団体信用生命保険と生命保険との違い
団体信用保険と一般的な生命保険は何が違うのでしょうか。
受取人の違いや、すでに生命保険に加入していた場合に、新しく団体信用生命保険に申し込む際はどのような点を見直せば良いのかを解説します。

・団体信用生命保険における保険金の受取人は金融機関
一般の生命保険における保険金の受取人は、被保険者もしくは被保険者の家族ですが、団体信用生命保険においては契約した金融機関が受取人となります。
そのため、被保険者の家族が保険金を受け取ってローンを支払う必要はなく、金融機関が保険金を受け取り、そのまま住宅ローンの返済をします。
よって、保険が適用された場合には、ローンのない住宅やマンションが残ります。
また、個人が保険金の受取などで金銭を他者(企業含む)から受け取る場合には、所得税や贈与税、相続税といった名目で課税されますが、団体信用生命保険の場合は受取人が金融機関であるため、これらの税金は発生しません。

生命保険に加入している場合は見直しを
団体信用生命保険に加入するとき、別の生命保険に加入している場合は、それぞれの保険内容を照らし合わせて重複している項目がないか見直しましょう。
生命保険の受取額は大きければよいというものではありません。不必要なほどの受取金額を設定していると、それに見合った掛け金も必要になり、生活資金が圧迫される可能性もあります。
一般的な生命保険の内容は、受取後の本人や遺族の生活を保障するものですが、その中にはもちろん住居費も含まれています。

団体信用生命保険では、ローン返済中にもしものことがあっても保険金により住宅ローンが支払われるため、その後の住居費額はかなり少なくなります。つまり、生命保険で加入していた住居費の保障額は無駄な支出になるということです。
もし、生命保険に入っていて、住居費分も保障している場合は、住居費分の保障を外すことで無駄な支出を抑えることができます。

団体信用生命保険の保険料はいくらかかる?
団体信用生命保険の保険料は、一般の生命保険の保険料とは仕組みが異なります。保険に加入する前にしっかりと把握しておきましょう。

・通常の補償内容は無料のケースが多い
通常の団体生命保険である死亡・高度障害状態にかかる保険料は、通常の金融機関の団体信用生命保険なら無料のケースが多いです。
ただし、特約を付ける場合には、その分の保険料(0.3%程度)がかかります。

特約の保険料は、住宅ローンの金利に上乗せして支払うのが一般的ですが、住宅ローンの返済とは区別して保険料を支払う場合もあり、申込先の金融機関や特約によって異なります。

年末調整の生命保険料控除は対象になる?
年末調整における生命保険料控除とは「保険金受取人を自己または配偶者そのほかの親族とする、生命保険契約等」が対象となっています。
先述したとおり、団体信用生命保険は金融機関等が保険料の受取人となるため、年末調整の生命保険料控除対象には当たりません。

団体信用保険の注意点
・保険が重複する可能性がある
ここまで解説してきたとおり、団信は住宅ローン契約者が死亡もしくは高度障害・3大疾病・介護状態など所定の状態になった場合に、その時点での住宅ローン残額を保険金と相殺することで、遺族に持ち家がきちんと遺る仕組みです。
つまり、契約者に万が一があった際でも、持ち家はしっかり遺すことができるので、生命保険の死亡保障で遺族の住居費を備える必要がなくなるといえます。

上限や免責事項を確認しよう
団体信用生命保険には、掛けられる保障の上限が設けられている場合があります。
例えば、みずほ銀行では保障限度額が最大3億円です。(2020年3月現在)
団体信用生命保険を提供している金融機関によって限度額は異なるので、確認しておきましょう。
団体信用生命保険があるからといって、限度額以上の高額な金額のローンを組んでしまうと、万が一の際には自身か遺族に借金が残ってしまいます。
また、免責事項についても確認しておきましょう。一般的には被保険者が自殺した場合や、反社会的行動によって被ったケガや障害、告知内容に虚偽が認められた場合などは、保険金の支払いはなくなります。
細部については金融機関によって詳細が異なります。いざ必要なときに保険金が支払われなかった。という事態に陥らないように、免責事項についても把握しておきましょう。

・死亡保障の減額(住居費が不要になる)
ここまで解説してきたとおり、団信は住宅ローン契約者が死亡もしくは高度障害・3大疾病・介護状態など所定の状態になった場合に、その時点での住宅ローン残額を保険金と相殺することで、遺族に持ち家がきちんと遺る仕組みです。
つまり、契約者の万が一の際でも、持ち家はしっかり遺すことができるので、生命保険の死亡保障で遺族の住居費を備える必要がなくなるといえます。

・小さい子どもがいる場合は慎重に
一般的に、団信に加入して住宅ローンを組んだ場合は、生命保険の死亡保障を減額するタイミングであり、節約のチャンスと考えられます。しかし、一概にそうともいえないケースもあります。
それは、未就学児や小学生までの子どものいる世帯の場合です。なぜなら住宅ローンの契約者に万が一のことがあった場合、死亡保障も減額せずに継続しておけば、その後の子どもの教育費としてお金を遺してあげることができます。
もし、現在の生命保険の保険料が家計に対して無理のない金額であれば、子どもがある程度成長するまでは減額せずに継続するほうが安心であるという考え方もあります。

通常の団体信用生命保険では不十分なケースもある
団体信用生命保険の加入者が家庭の主な収入源である場合、通常の団体信用生命保険では不十分であることも考えられます。詳しく見ていきましょう。

・がんなどの病気になった場合
団体信用生命保険が保障しているのは、上述したように「加入者の死亡もしくは高度障害状態」に対してです。がんをはじめとした重い病気については、保険金がおりません。
特定の病気が心配なら、その病気に対応した特約に加入しておきましょう。がんであれば、先ほど紹介した「三大疾病特約」や「がん保障特約付き団信」などに申し込むという手があります。
ただし、対象となる病気の範囲や期間については細かく確認しておきましょう。例えばひと口にがんといっても、「上皮内がん」だと保険金がおりない場合もあります。
治療期間や状態によって、保障範囲は異なりますので、どのようなケースであれば保険金がおりるのかをしっかりと把握し、必要なら生命保険などとの併用も検討することが重要です。

・長期間働けなくなった場合
一般的な団体信用生命保険では、長期間休職する場合や、失業によって保険金がおりることはありません。その間も毎月の住宅ローンや生活費は支払い続ける必要があります。
仮に特約を付けて対応するとしても、保険金がおりるためのハードルの高さが現実的かどうかも検証の余地があります。
例えば「就業不能保証付き」の団信を提供している金融機関もありますが、「就業不能状態」と一口に言っても、その定義はさまざまです。保険金がおりるための条件が適切かどうかしっかりと確認しなければなりません。
こうしたリスクに備えるため、一般的な生命保険や就業不能保険など、団体信用生命保険だけでは補えない保障をしてくれる保険への加入も検討しましょう。

団体信用生命保険の種類と保険料
団体信用生命保険には、一般的な「団信」のほかに、「ワイド団信」「ガン保障特約付き団信」「3大疾病付き団信」「7大疾病、8大疾病付き団信」などがあります。以下は団信の種類別保障内容や保険料などのご紹介です。

・団体信用生命保険(一般的なもの)
住宅ローン返済中に死亡、または所定の高度障害状態になった場合に残りの返済が不要になります。保険料は無料(実際はローン金利に含まれている)です。

・ワイド団信
加入条件が緩和された団信です。糖尿病や高血圧症などの持病を持っていても比較的加入しやすくなっています。保障内容は一般的な団信と同じで、死亡と高度障害状態になった場合ですが、保険料は金利に0.2%~0.3%程度上乗せされます。

・ガン保障特約付き団信
一般的な団信の保障に加えて、ガンの診断保障がプラスされた保険(契約から90日間は保障されない)になります。ガン診断給付金が支払われるのは、生まれて初めてガンになり、医師によって診断確定された場合です。保険料は金利に0.1%~0.2%程度上乗せされます。また、「ガン団信50」や「ガン団信100」のように住宅ローンの残高を50%免除するものや100%免除するものがあります。

・3大疾病保障付き団信
3大疾病付き団信は、一般的な団信の保障に加えて、ガン・急性心筋梗塞・脳卒中になり、所定の状態となった場合にも住宅ローンの返済が免除される保険です。保険料は金利に0.3%程度上乗せされます。

・7大疾病保障付き団信
7大疾病保障付き団信は、3大疾病のガン・急性心筋梗塞・脳卒中に加え、高血圧性疾患・糖尿病・慢性腎不全・肝硬変など、4つの生活習慣病になり、、所定の状態となった場合にも保障される保険です。この「所定の状態」というのが各社で異なるため、所定の状態になる可能性がどの程度高いのかは検討したほうが良いでしょう。

・8大疾病保障付き団信
8大疾病保保障付きの場合は、上大疾病に加えて慢性膵炎が含まれています。保険料は借入時の年齢や借入の条件、また金融機関によって異なりますが、金利に0.3%程度上乗せになります。

団体信用生命保険の審査はきびしい?
団体信用生命保険に加入するには、団体信用生命保険の審査に通過しなくてはなりません。
審査方法や審査に使う告知書の内容について解説します。また、審査に落ちたときはどうすれば良いのかも、併せて確認していきましょう。

・健康状態を告知して審査が行われる
団体信用生命保険の審査時には通常の保険と同様に、過去3年程度の病歴・治療歴に関しての告知義務が課されます。仮に病気の発見が5年前であったとしても、3年前以降にも治療していたのであれば、告知しなければいけません。
同じ病気であっても処方の仕方によって審査結果が異なる場合があります。病名とともに治療歴(通院歴・手術歴・入院歴)、処方薬に関しても正確に告知しましょう。

・告知書の内容は?
告知書の内容は金融機関によって詳細が異なります。また、回答についても記入式の告知書もあれば選択式で回答する告知書もあります。
基本的には病名と治療歴、処方薬などについて聞かれます。特約であれば、さらに細かい項目についても聞かれますので、告知書を記入する際には「お薬手帳」などを手元に置いておくと良いでしょう。
病歴に関する記憶が曖昧である場合などをはじめ、回答する上でわからない点があれば、まず審査を行う金融機関に尋ねてください。

持病があっても申し込める保険がある
以前は、持病や疾病がある人が団体信用生命保険に加入するのは難しいことが多かったですが、現在は疾病や持病があっても団体信用生命保険を利用できる金融機関が増えています。
ただし、通常の団体信用生命保険とは仕組みが少し異なるので注意しましょう。
この団体信用生命保険は「ワイド団信」と呼ばれています。ワイド団信は、健康上の理由などで一般の団体信用生命保険には加入できない人に向けた、審査基準が緩めの団体信用生命保険のことです。
ワイド団信は通常の団体信用生命保険のように無料ではなく、一般的に0.2~0.3%ほど金利が上乗せになります。
それ以外については、一般の団体信用生命保険と同じです。死亡や高度障害状態、そのほかに付けた特約により、もしものときのローンの返済を保険金でまかなえるようになります。
ただし、ワイド団信は審査が緩いとはいっても必ず加入できるわけではありません。病気の種類や症状などによっては審査に落ちる可能性もあります。審査基準も保険を提供している金融機関によって異なります。
審査に落ちる不安がある方は、ワイド団信がある金融機関を選び、審査基準についても把握しておくと良いでしょう。

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